渡辺隆行 (nabe @ lab.twcu.ac.jp)
東京女子大学現代文化学部コミュニケーション学科
2006年1月7日 静岡県立大学大学院ビジネス講座「情報システムデザイン」
自己紹介
簡単な自己紹介
1998年までは原子核・素粒子実験の研究に従事.岐阜県神岡鉱山の地下実験室で太陽を拝めない日々を送る. 1999年秋から,日本の全盲の視覚障害者のための日英2ヶ国語音声化システムBilingual Emacspeak Platformの開発に取り組んだ.2003年後半からはユニバーサルなWeb利用に重点を置いて活動している.調査研究を元に,Webアクセシビリティをとらえたいと思っている.
メニュー(1/4)
- I. はじめに
- I.1 ウェブの重要性
- I.2 ウェブの利点
- I.3 多様な利用者
- I.4 ウェブ利用の問題点
- 課題1
- I.5 アクセシビリティとユーザビリティ
- I.6 ウェブのアクセシビリティ・ガイドライン
メニュー(2/4)
- II. ウェブアクセシビリティのガイドライン(W3C)
- II.1 W3C (World Wide Web Consortium)
- II.2 WAI (Web Accessibility Initiative)
- II.3 WCAG 1.0
- II.4 WCAG 2.0 ワーキングドラフト
- II.5 WCAG 2.0 の特徴
- II.6 WCAG 2.0 の構成
- II.7 WCAG 2.0 WD 6月30日版
メニュー(3/4)
- III. ウェブアクセシビリティのガイドライン(日本)
- III.1 日本のガイドライン:JIS X 8341シリーズ
- III.2 JIS X 8341の個別規格
- III.3 JIS X 8341-3
- III.4 JIS X 8341-3 5章
- III.5 JIS X 8341-3 6章
- III.6 公共分野におけるアクセシビリティの確保に関する研究会
メニュー(4/4)
- IV. ガイドラインの国際協調
- IV.1 JISとW3C
- IV.2 ISOのガイドライン
- V. おわりに
- V.1 ガイドラインを超えて
- V.2 渡辺研究室の研究
- V.3 まとめ
- 課題2
- 付録:JIS X 8341-3 5章の個別項目
- 参考資料
I.1 ウェブの重要性
- ウエブ利用の増大:検索,ニュース,買い物,...
- 電子政府
- アプリケーションのユーザインターフェース
- マルチメディア,...
I.2 ウェブの利点
- 環境非依存:データが表示される環境を指定できない
- 構造(XHTML)と表示(CSS)を分離できる
- 電子データ:音声表示,点字表示,拡大表示などが可能
- ウェブの標準技術がアクセシブル
- W3Cは1999年にWCAG 1.0を発表:世界中に普及.2004年6月に日本でもJIS X 8341-3発行
I.3 多様な利用者
- 健康な成年男子
- 高齢者
- PCに不慣れな利用者
- 身体障害者(肢体不自由,視覚障害,聴覚障害,重複障害,...)
- 知的障害者
- モバイル利用,...
I.4 ウェブ利用の問題点
- コンテンツを知覚できない:文字,画像,音,色,位置
- コンテンツを理解できない:難しい,
- コンテンツを操作できない:リンク,ボタン,テキスト入力,マウスのみ
- コンテンツを利用する技術がない
- コンテンツを利用しにくい:ナビゲーション,...
課題1
下表をなるべく多くの具体例で埋めてください.
| |
高齢 |
肢体不自由 |
視覚障害 |
聴覚障害 |
知的障害 |
不慣れ |
| 知覚 |
|
|
色覚障害がある利用者は利用しにくい色の組み合わせがある. |
|
|
|
| 理解 |
|
|
赤色で重要な品目を表示しても全盲の利用者にはわからない |
|
|
|
| 操作 |
|
|
|
|
|
|
I.5 アクセシビリティとユーザビリティ
- アクセシビリティ
- 利用できること,近づけること
- usability of a product, service, environment or facility by people with the widest range of capabilities (ISO/CD 9241-171)
- ユーザビリティ
- 使いやすさ,わかりやすさ
- 効果,効率,満足:extent to which a product can be used by specified users to achieve specified goals with effectiveness, efficiency and satisfaction in a specified context of use (ISO 9241-111)
ユニバーサルデザインとか,バリアフリーという概念もある.
I.6 ウェブのアクセシビリティ・ガイドライン
- 1999年5月:アクセシビリティ向上のためにウェブ作者が配慮すべき点をまとめたガイドライン WCAG 1.0 をW3Cが発表.
- WCAG 1.0は世界中で注目され,日本でもこれに影響を受けて企業などのガイドラインが定められた.
- 2004年6月:WCAGに相当する(独自の)ガイドラインが,JIS X 8341-3として策定された.
- これらのガイドラインにより,アクセシビリティに配慮する重要性が啓蒙され,また配慮すべき点の拠り所が明確になった.標準化されたことにより,国などの組織単位でガイドラインに準拠することも容易になった.
II. ウェブアクセシビリティのガイドライン(W3C)
- II.1 W3C (World Wide Web Consortium)
- II.2 WAI (Web Accessibility Initiative)
- II.3 WCAG 1.0
- II.4 WCAG 2.0 ワーキングドラフト
- II.5 WCAG 2.0 の特徴
- II.6 WCAG 2.0 の構成
- II.7 WCAG 2.0 WD 6月30日版
II.1 W3C (World Wide Web Consortium)
W3C:ウェブ技術の標準化と推進を目的とした国際企業コンソーシアム
- W3Cのゴール:Universal Access, Semantic Web, Web of Trust.
- 活動領域:
- Webを支える基盤技術(HTTP, XML, Web Services, ...)
- ブラウザなどのユーザが利用する技術(HTML, MathML, SVG, CSS, ...)
- 実社会で利用する際に必要となる技術(P3P, Semantic Web, ...)
- 障害者を含む誰もが使えるWeb(ガイドライン,ツール, ...)
II.2 WAI (Web Accessibility Initiative)
WAI:技術,ガイドライン,ツール,教育普及,研究開発によってWebアクセシビリティを追求
II.3 WCAG 1.0
WCAG 1.0:1999年5月策定.現段階でもW3Cの正式勧告
- 14個のガイドライン:詳細はWCAG 1.0 (石川准訳)
- チェックポイント毎に3段階の優先度:
- 優先度1:必ず満たさなければいけない
- 優先度2:満たすべき
- 優先度3:満たすことができる
- 技術解説:コア技術,HTML技術,CSS技術
- WCAG 1.0の欠点:技術依存,優先度の弊害,曖昧,「ユーザ・エージェントが~できるようになるまでの間は」の弊害,...
II.5 WCAG 2.0 の特徴
- 技術非依存:特定の技術には依存しない.
- 明確な適合条件:すべての達成基準は,コンピュータプログラムでテストできる,又は複数の専門家が同じ結果を得るという意味でテスト可能.
- わかりやすさ:Understanding WCAG 2.0を提供
- baseline:国や組織毎に,利用可能な技術レベルをbaselineとして定め,そのbaselineに対してWCAG 2.0の適合性を判断できる.使用している技術レベルに応じて,コンテンツに対する要求が変わってもよい.
続II.5 WCAG 2.0 の特徴
- 優先度ではなくレベル:
- レベル1:通常の支援技術やユーザエージェントによって最低限のアクセシビリティを達成する基準で,すべてのウェブコンテンツに適用できるもの.
- レベル2:通常の支援技術やユーザエージェントによって,又はコンテンツのデザインやプレゼンテーションによって,高いアクセシビリティを達成する基準で,すべてのウェブコンテンツに適用できるもの.
- レベル3:L1やL2以上の要求をする基準で,すべてのウェブコンテンツに適用できるとは限らないもの.
II.6 WCAG 2.0 の構成
- アクセシビリティの4原則:
- 利用者がウェブコンテンツを知覚できなければならない.
- 利用者がウェブコンテンツのインターフェース要素を操作できなければならない.
- 利用者がウェブコンテンツやコンテンツのコントロールを理解できなければならない.
- ウェブコンテンツが現在のみならず将来の技術に渡って利用できなければならない.
- ガイドライン:4原則の下に13個のガイドラインを分類.
- 達成基準:ガイドライン毎に達成基準を定義.達成基準がWCAG 2.0の中心
III. ウェブアクセシビリティのガイドライン(日本)
- III.1 日本のガイドライン:JIS X 8341シリーズ
- III.2 JIS X 8341の個別規格
- III.3 JIS X 8341-3
- III.4 JIS X 8341-3 5章
- III.5 JIS X 8341-3 6章
- III.6 公共分野におけるアクセシビリティの確保に関する研究会
III.1 日本のガイドライン:JIS X 8341シリーズ
情報通信における機器,ソフトウェア及びサービスを設計する際に,高齢者・障害者等に配慮すべき点を示したガイドライン群.

- 基本規格:JIS Z 8071 (ISO/IEC Guide 71と同一) ”高齢者及び障害のある人々のニーズに対応した規格作成配慮指針”.アクセシビリティガイドラインを策定する際に参考にすべき指針.
- グループ規格:JIS X 8341-1 ”高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス-第1部:共通指針”
- 個別規格:
III.2 JIS X 8341の個別規格
- JIS X 8341-2:情報処理装置(2004年5月20日)
- JIS X 8341-3:ウェブコンテンツ(2004年6月20日)
- JIS X 8341-4:電気通信機器(2005年10月20日)
- JIS X 8341-5:事務機器(予定)
「工業標準化法」第67条(日本工業規格の尊重):「国及び地方公共団体は、買入れる鉱工業製品に関する仕様を定めるとき日本工業規格を尊重しなければならない」
III.3 JIS X 8341-3
- 2004年6月策定.
- 現在の日本の技術(ウェブブラウザやスクリーンリーダなど)の能力に配慮
- 日本語固有の問題を取り上げている
- 5章「開発及び制作に関する個別要件」39個
- 6章「情報アクセシビリティの確保・向上に関する全般的要件」5個で,プロセス(企画,設計,開発,制作,保守及び運用)にも言及
- 国際協調に配慮:JIS X 8341-3 = WCAG 1.5 ± α.
- 技術解説ドラフト:「ウェブ技術解説公開」
III.4 JIS X 8341-3 5章
5章「開発及び制作に関する個別要件」:開発・制作において配慮すべき技術的な要件を規定.主として開発・制作者を対象.「しなければならない」レベルと「望ましい」レベル,及びその混合レベルの個別要件がある.
詳細は付録参照
III.5 JIS X 8341-3 6章
6章「情報アクセシビリティの確保・向上に関する全般的要件」:企画から保守・運用に至る(全般的な)プロセスにおいて配慮すべき個別的な要件を規定.主として運用管理・運用担当者を対象.
- 6.1 企画・制作に関する要件
- 6.2 保守及び運用に関する要件
- 6.3 検証に関する要件
- 6.4 フィードバックに関する要件
- 6.5 サポートに関する要件
III.6 公共分野におけるアクセシビリティの確保に関する研究会
総務省の「公共分野におけるアクセシビリティの確保に関する研究会」
- 2004年11月から2005年12月に開催
- 2005年12月15日に報告書公表.
- JIS X 8341-3制定を受けて,高齢者や障害者を含む誰もが公共分野のホームページやウェブシステムを利用することができるよう,研究会を開催.地方公共団体で活用できる運用モデルや各種手順書・ワークシート類について検討.
- 具体的なウェブアクセシビリティ維持・向上のための運用モデルである「みんなの公共サイト運用モデル」として取りまとめた.
- 今後,総務省では,地方公共団体の担当者を対象としたセミナーを開催するなどして,「みんなの公共サイト運用モデル」の積極的な活用を促すための取組を継続的に進める.
IV. ガイドラインの国際協調
- IV.1 JISとW3C
- IV.2 ISOのガイドライン
IV.1 JISとW3C
- JIS X 8341-3:2004:WCAG 1.0を尊重し,WCAG 2.0 WDのよいところを取り入れ,日本固有の事情や日本の支援技術の事情に合わせてガイドラインを策定.
- JIS X 8341-3とWCAG 2.0に差があると,コンテンツ作者が困る.
- WCAG 2.0 WDとJIS X 8341-3:2004を比較して,WCAG 2.0に欠けているところ(言語に起因するアクセシビリティ問題など)を2004年7月及び2006年1月にWCAG WGに提案.
- 両ガイドラインの一致度を高める努力をしている.
IV.2 ISOのガイドライン
- 国際的な標準機関のISOと日本(JIS)は密接な関係にある.
- "ISO/DIS 9241-151 Ergonomics of human system interaction - Part 151: Software ergonomics for World Wide Web user interfaces"が,ユーザビリティ以外にアクセシビリティにも言及し始めている.
- JIS,ISO,W3Cのガイドラインの国際協調が必要.
V. おわりに
- V.1 ガイドラインを超えて
- V.2 渡辺研究室の研究
- V.3 まとめ
- 課題2
V.1 ガイドラインを越えて
- ガイドラインによりウェブ・アクセシビリティに対する関心が高まり,基盤ができた.チェックツールもある.
- ウェブコンテンツのガイドラインは,コンテンツ,つまり(X)HTMLやCSSの作者に対するガイドラインであるので,(X)HTMLの要素の使い方やマークアップの仕方,CSSの使い方などの観点から配慮すべき点を述べざるを得ない.しかし,アクセシビリティ問題は,あるコンテンツを人間が実際に利用する場面で生じる問題なので,コンテンツ側で議論できる問題と1対1に対応が付くわけではない.
- ガイドラインに頼りすぎると利用者の視点を見失うので注意が必要.
V.2 渡辺研究室の研究
科研費特定領域「情報福祉の基礎」の計画研究班(渡辺,小田,安村,西本)の研究のうち,視覚障害者のウェブ利用に関する研究:
- 日本の視覚障害者用UAの機能調査(一部は表卒論)
- オーサリングツールのアクセシビリティ機能(村岡卒論)
- 視覚障害者と対面朗読者の対話分析(小川卒論)
詳細は「視覚障害者と対面朗読者の対話分析と,ウェブのUA及びATの研究」参照.
V.3 まとめ
- ウェブの重要性と利点を述べ,ウェブアクセシビリティが重要であることを示した.
- 多様な利用者のウェブ利用時の問題点を検討した.[課題1]
- W3CとWAIの活動を紹介し,WCAG WGで作成中のWCAG 2.0について解説した.
- 日本のガイドライン JIS X 8341-3について解説した.
- JIS X 8341-3を元にした公共分野への適応について説明した.
- ガイドラインの国際協調について説明した.
- ガイドラインを超えたアクセシビリティ確保の必要性を述べた.
- 渡辺研究室の研究や参考資料を紹介した.
課題2
今日の講義の感想(参考になった点,良かった点,わかりにくかった点,など)と質問を書いてください.
5.1 規格及び仕様
- a) ウェブコンテンツは,関連する技術の規格及び仕様に則り,かつ,それらの文法に従って作成しなければならない。
- b) ウェブコンテンツには,アクセス可能なオブジェクトなどの技術を使うことが望ましい。
5.2 構造及び表示スタイル
- a) ウェブコンテンツは,見出し,段落,リストなどの要素を用いて文書の構造を規定しなければならない。
- b) ウェブコンテンツの表示スタイルは,文書の構造と分離して,書体,サイズ,色,行間,背景色などをスタイルシートを用いて記述することが望ましい。ただし,利用者がスタイルシートを使用できない場合,あるいは意図的に使用しないときにおいても,ウェブコンテンツの閲覧及び理解に支障が生じてはならない。
- c) 表は,分かりやすい表題を明示し,できる限り単純な構造にして,適切なマーク付けによってその構造を明示しなければならない。
い。
続5.2 構造及び表示スタイル
- d) 表組みの要素をレイアウトのために使わないことが望ましい。
- e) ページのタイトルには,利用者がページの内容を識別できる名称を付けなければならない。
- f) フレームは,必要以上に用いないことが望ましい。使用するときは,各フレームの役割が明確になるように配慮しなければならない。
- g) 閲覧しているページがウェブサイトの構造のどこに位置しているか把握できるように,階層などの構造を示した情報を提供することが望ましい。
5.3 操作及び入力
- a) ウェブコンテンツは,特定の単一のデバイスによる操作に依存せず,少なくともキーボードによってすべての操作が可能でなければならない。
- b) 入力欄を使用するときは,何を入力すればよいかを理解しやすく示し,操作しやすいよう配慮しなければならない。
- c) 入力に時間制限は設けないことが望ましい。制限時間があるときは事前に知らせなければならない。
- d) 制限時間があるときは,利用者によって時間制限を延長又は解除できることが望ましい。これができないときは,代替手段を用意しなければならない。
続5.3 操作及び入力
- e) 利用者の意思に反して,又は利用者が認識若しくは予期することが困難な形で,ページの全部若しくは一部を自動的に更新したり,別のページに移動したり,又は新しいウィンドウを開いたりしてはならない。
- f) ウェブサイト内においては,位置,表示スタイル及び表記に一貫性のある基本操作部分を提供することが望ましい。
- g) ハイパーリンク及びボタンは,識別しやすく,操作しやすくすることが望ましい。
- h) 共通に使われるナビゲーションなどのためのハイパーリンク及びメニューは,読み飛ばせるようにすることが望ましい。
- i) 利用者がウェブコンテンツにおいて誤った操作をしたときでも,元の状態に戻すことができる手段を提供しなければならない。
5.4 非テキスト情報
- a) 画像には,利用者が画像の内容を的確に理解できるようにテキストなどの代替情報を提供しなければならない。
- b) ハイパーリンク画像には,ハイパーリンク先の内容が予測できるテキストなどの代替情報を提供しなければならない。
- c) ウェブコンテンツの内容を理解・操作するのに必要な音声情報には,聴覚を用いなくても理解できるテキストなどの代替情報を提供しなければならない。
- d) 動画など時間によって変化する非テキスト情報には,字幕又は状況説明などの手段によって,同期した代替情報を提供することが望ましい。同期して代替情報が提供できない場合には,内容についての説明を何らかの形で提供しなければならない。
- e) アクセス可能ではないオブジェクト,プログラムなどには,利用者がその内容を的確に理解し操作できるようにテキストなどの代替情報を提供しなければならない。また,アクセス可能なオブジェクト又はプログラムに対しても,内容を説明するテキストなどを提供することが望ましい。
5.5 色及び形
- a) ウェブコンテンツの内容を理解・操作するのに必要な情報は,色だけに依存して提供してはならない。
- b) ウェブコンテンツの内容を理解・操作するのに必要な情報は,形又は位置だけに依存して提供してはならない。
- c) 画像などの背景色と前景色とには,十分なコントラストを取り,識別しやすい配色にすることが望ましい。
5.6 文字
- a) 文字のサイズ及びフォントは,必要に応じ利用者が変更できるようにしなくてはならない。
- b) フォントを指定するとき,サイズ及び書体を考慮し読みやすいフォントを指定することが望ましい。
- c) フォントの色には,背景色などを考慮し見やすい色を指定することが望ましい。
5.7 音
- a) 自動的に音を再生しないことが望ましい。自動的に再生する場合には,再生していることを明示しなければならない。
- b) 音は,利用者が出力を制御できることが望ましい。
5.8 速度
- a) 変化又は移動する画像又はテキストは,その速度,色彩・輝度の変化などに注意して作成することが望ましい。
- b) 早い周期での画面の点滅を避けなければならない。
5.9 言語
- a) 言語が指定できるときは,自然言語に対応した言語コードを記述しなければならない。
- b) 日本語のページでは,想定する利用者にとって理解しづらいと考えられる外国語は,多用しないことが望ましい。使用するときは,初めて記載する時に解説しなければならない。
- c) 省略語,専門用語,流行語,俗語などの想定する利用者にとって理解しにくいと考えられる用語は,多用しないことが望ましい。使用するときは,初めて記載されるときに定義しなければならない。
続5.9 言語
- d) 想定する利用者にとって読みの難しいと考えられる言葉(固有名詞など)は,多用しないことが望ましい。使用するときは,初めて記載されるときに読みを明示しなければならない。
- e) 表現のために単語の途中にスペース又は改行を入れてはならない。
- f) ウェブコンテンツは,文章だけではなく,分かりやすい図記号,イラストレーション,音声などを合わせて用いることが望ましい。
参考資料
- 書籍
- オーサリングツール
- チェックツール類
- ウェブの仕様書
- リンク
参考資料:書籍
- e-AT利用促進協会監修:「福祉情報技術I」(ローカス)
- 日本人間工学会編:「ユニバーサルデザイン実践ガイドライン」(共立出版)
- Paciello,ソシオメディア監訳:「ウェブ・アクセシビリティ-すべての人に優しいウェブ・デザイン-」(ASCII)
- Zeldman,石田他訳:「Designing with Web Standards」(毎日コミュニケーションズ)
- 神崎正英:「ユニバーサルHTML/XHTML」(MYCOM)
- ソシオメディア:「標準ウェブユーザビリティ辞典」(インプレス)
- Musciano, Kennedy,原訳:「HTML&XHTML」(オライリー・ジャパン)
- Eric Meyer,クィープ訳:「CSS完全ガイド」(オライリー・ジャパン)
その他の文献
参考資料:オーサリングツール
- Macromedia Dreamweaver 8
- プロ用とされているオーサリングツール.WCAGやJIS X 8341-3の解説やチェックも可能.それ以外にもウェブサイト作成を大幅に楽にしてくれる有用な機能が満載.基本的な使い方を取得するのは難しくないので,一押し.
- IBMホームページビルダー 10
- 家庭用ソフトとして販売されている.「どこでも配置モード」は推奨しない.HPBを上手に使えば,アクセシビリティに配慮したウェブページを作成できる.
- Nvu
- 無料ソフト.WindowsでもMac OS Xでも利用できる.ソースを書く作業が不要になるようにデザインされているので,(X)HTMLやCSSの細かな文法を覚えていなくても,ウェブの標準に即したページを作成できる.詳細は「 Nvuを用いたウェブサイト作成」参照.
参考資料:チェックツール類
- 富士通アクセシビリティ・アシスタンス
- Javaで動作する無料のツール.
- WebInspector:JIS X 8341-3に対応したチェックが可能であるそう.
- ColorSelector:視認性の高い背景色と文字色の組み合わせをリアルタイムに確認可能なツール.
- ColorDoctor:色覚特性に応じた見え方をシミュレートするツール.
- インフォアクシアで提供しているツール
-
- Web Acessibility Toolbar (IE版):IEの画面に表示されているウェブページのアクセシビリティを,様々な観点からチェックおよびシミュレーションできるツール.
- Webアクセシビリティ・ツールボックス(Firefox版):開発者向けのアクセシビリティ検証ツール.
- Web Developper (Firefox版):テーブル枠の表示,id属性とclass属性の表示,CSS編集など、便利な機能が多く含まれているツール.
- カラー・コントラスト・アナライザー:画面上の背景色と前景色のコントラストが十分かどうかを,W3Cが提案している計算式で判定するツール.色覚特性での判定も可能.
参考資料:ウェブの仕様書
W3Cにある仕様書がウェブの標準技術の原典となります.