「情報システム2」で使う資料としてこのページを公開しています.(授業の進行状況に応じて,年度ごとに詳細は変わります.)
ITパスポート試験
成績証明書の提出要領
シラバスに書いたように,情報処理技術者「ITパスポート」試験の総合点を成績に加算します.(合格時期はいつでも構いません.)ITパスポート試験に合格している学生は,学生番号,氏名,総合点がわかる下記資料を提出してください.
- 提出物:
- 「ITパスポート試験 試験結果レポート」に学生番号を書き込んだもの
- (若しくは「合格証書」のコピーに学生番号と総合点を書き込んだもの)
- 提出日:
- 2012年1月13日又は20日の授業時間. (授業時間に間に合わなかった場合は,2月1日(水)16時までに8号館4階のレポート提出ボックスに提出し,提出したことを渡辺にメールで連絡すること.レポートボックスでの成績証明書の受け取りを確認したら,各メールに確認メールを返信します.)
ヒューマン・コンピュータ・インターラクション
まず,ヒューマン・コンピュータ・インターラクション(HCI)についてITパスポート試験のカリキュラムと絡めて説明します.次週からは,音声インターラクションのデモ,ユニバーサルデザイン,ユーザビリティとアクセシビリティについて詳しくお話します.
- テキスト「5.5 入出力(HCI)設計を学ぼう」:GUIとCUI,GUIの部品(WIMP),HCIに配慮した設計の注意点
- 「赤ペン式 ITパスポート受かる100問」p280「66 ヒューマンインタフェース」
- デザインの7原則(「誰のためのデザイン?」,D.A.ノーマン著,野島訳,新曜社)
- ユーザビリティ原則10箇条(「ユーザビリティ・エンジニアリング原論 -ユーザのためのインターフェースデザイン」, J.ニールセン著、篠原監訳,東京電機大学出版局)
参考:「人間科学概論IIB(情報通信技術と人間)」用の「参考文献リスト」
コンピュータと人間の音声インターラクション
ヒューマン・コンピュータ・インターラクションの重要性を示す例として,コンピュータと人間の音声インターラクションのデモを見せします.
- 音声出力(合成音声の利用)
- 合成音声によって可能になった視覚障害者のコンピュータ利用
- NVDA(Non Visual Desktop Access)によるWeb読み上げのデモ
- 音声でも利用しやすいサイトと利用しにくい或いは利用できないサイトの例
- 「ユニバーサル・ウェブ -誰もが使いやすいWebサイトの構築-」
- 音声認識
- Windows7の音声利用
HCI:ユニバーサルデザイン
ユニバーサルデザインとは
He coined the term "universal design" to describe the concept of designing all products and the built environment to be aesthetic and usable to the greatest extent possible by everyone, regardless of their age, ability, or status in life. (すべての製品や建物を,年齢や能力や地位に関わらず,できるだけ多くの人にとって,美しくて使いやすく設計すること.)
ポイントは,
- 設計段階:製品ができてから,使えない人がいることに気づいたのでは遅い.できあがったものを修正するのはバリアフリー.設計段階なら容易に修正できる.
- できるだけ多くの人:できるだけ多くの人(すべてとは言っていないことに注意)が利用できるように設計すること.設計段階で,対象となるユーザをよく検討して,不用意に取りこぼさないように注意する.
- 美しく:UDだから美しくないのではない.
- UD7原則
- 誰にでも公平に使用できること
- 使う上での自由度が高いこと
- 簡単で直感的にわかる使用法となっていること
- 必要な情報がすぐ理解できること
- うっかりミスや危険につながらないデザインであること
- 無理な姿勢や強い力を必要とせず楽に使用できること
- 接近して使えるような寸法・空間となっていること
UDの例
...
多様な特性を持つ人間(ユーザ)
『ユニバーサルデザイン実践ガイドライン』(日本人間工学会編,共立出版)の表I-3-1「ユーザ分類表」では下記のように分類されています.
- 特別な配慮を必要としないユーザ
- 健康な成年男子などがここに該当しますね.
- 感覚機能に配慮すべきユーザ
- 視覚に頼れないユーザ
- 視力に配慮すべきユーザ
- 聴覚に頼れないユーザ
- 聴力に配慮すべきユーザ
- 運動機能や体格に配慮すべきユーザ
- 車椅子利用者
- 手が使えないユーザ
- 動作に配慮すべきユーザ
- 筋力の弱いユーザ
- 発話に配慮すべきユーザ
- 左利きユーザ
- 小さい/大きいユーザ
- 認知機能に配慮すべきユーザ
- 初心者/熟練者
- 理解が苦手なユーザ
- 日本語・外国語が読めないユーザ
- そのほか
- デモグラフィック(社会的)や文化的な差異に対して配慮すべき場合
人間の認知と操作
ある製品(ソフト,ハード,システム.建物など)をユーザが使用するためには,認知心理学や人間工学(Ergonomics)を考慮して,以下のステップをクリアする必要があります.
- 知覚:その製品が提示している情報を知覚できるか?
- 符号化,記憶:知覚した情報は符号化されて短期記憶に保持される.その一部は長期記憶に保存される.
- 理解,判断:短期記憶で得た情報や長期記憶にある情報と照らし合わせて,知覚した情報を理解し,ユーザの意図に沿って判断を行う.
- 操作:判断の結果,あるいは意図により,ユーザが製品を操作する.
どこか一つを実行できない場合,そのユーザはその製品を使用できません.
UDチェックシート
『ユニバーサルデザイン実践ガイドライン』(日本人間工学会編,共立出版)の表I-3-1「ユーザ分類表」はチェックシートにもなっています.横軸が「ユーザの分類」,縦軸が「認知と操作」,その交点ごとに,ユーザがその製品(ソフト,ハード,システム.建物など)を利用できるか,どんな問題点があるか,どうすれば解決できるか/できないか,を検討します.
宿題
宿題:下記に示した例を参考に,自分が注目した対象(ICT機器でなくてもよい)のデザイナーになったつもりで,その対象(製品,ソフト,ハード,システム,サービス)のUD上の問題点を発見し,解決策を考える.その製品を使う場面を詳細に想定して,電源を入れることができるか,XXがわかるか,..などのように,具体的な個々のステップ(タスク)に関してチェックすること.チェックシートの横軸は,「多様な特性を持つ人間(ユーザ)」の一部だけでよい.縦軸は,個別タスクごとに「知覚・理解・操作」の3視点でチェックした問題点を含むこと.締め切りは1月13日の授業.下記イメージを参考にして紙媒体で提出すること.
| 対象:ATM | 使用シーン:現金の引き出し | |||||||
| 個別タスク | あなた | 感覚機能 | 身体機能・体格 | 認知機能 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 本人 | 視覚(全盲) | 視覚(弱視) | 聴覚 | 車椅子 | 手が使えない | 小さな女子小学生 | 初心者 | |
| 装置の前に立つ |
|
|||||||
| まず何をすればよいか分かる |
|
|||||||
| 「引き出し」操作を選択する |
|
|||||||
| .... | ||||||||
HCI:ユーザビリティとアクセシビリティ
ユーザビリティ
どんなに凝ったデザインの製品でも,使いにくければユーザは利用してくれません.「ユーザ中心の設計思想(Ucer Centered Design)」に立って,「ユーザビリティ(使いやすさ)」を考えることが重要です.
ISO 9241-11 "Ergonomic requirements for office work with visual display terminals. Part 11: Guidance on Usability"では,ユーザビリティを「特定のコンテキストにおいて,特定のユーザによって,ある製品が,特定の目標を達成するために用いられる際の,効果・効率・ユーザの満足度の度合い」と定義しています.つまりユーザビリティには,3つの下位概念があるわけです.
- 効果:ユーザが特定の目標を正確に完全に達成できること.
- 効率:効果を実現するために必要な資源が多いとか少ないとかいうこと.無駄がないこと.
- 満足:製品の使用に関して不快感が無くて肯定的な態度をもてること.
また,ヤコブ・ニールセンは,「ユーザビリティの特性」として5点を上げています.
- 学習しやすさ
- 効率性
- 記憶しやすさ
- エラー発生率
- 満足度
アクセシビリティ
高齢者や障害者をユーザとして考えると,ユーザビリティは必然的に「アクセシビリティ」につながっていきます.
アクセシビリティには明確な定義はありませんが,ユーザの中でも障害者(及び障害を持つ高齢者)に焦点を当て,製品利用の効率や満足度よりも,そもそもその製品を利用できるか(あるいは,どの程度利用できるか)どうかに焦点を当てています.また,障害者は車椅子やスクリーンリーダなどの支援技術を用いていることが多いので,それらの支援技術を使って利用できるか,という点にも焦点を当てています.
『Webアクセシビリティ~ 標準準拠でアクセシブルなサイトを構築/管理するための考え方と実践~』の「1章:Webアクセシビリティを理解する」では,下記のようにWebアクセシビリティを説明しています.
Webアクセシビリティとは、基本的には、障害者がWebを利用できることである。もっと具体的にいうと、Webアクセシビリティとは、障害者がWebを知覚し、理解し、ナビゲーション(訳注:広義には、Webサイトのページ間やページ内を移動したり見てまわったりすること)し、インターラクション(訳注:Webに入力したり情報を受け取ったりしてWebを利用)できることである。
障害者がWebを使っている例が,上記の本の「第1章:第1節:Webアクセシビリティとは何か?」に載っています.
『ユニバーサルデザイン実践ガイドライン』の「ユーザ分類表」にあるように,身体障害や知的障害など,様々な障害があります.また,「ユニバーサル・ウェブ」の「障害の分類」では,世界保健機関(WHO)の「国際生活機能分類-国際障害分類改訂版-」の詳細な分類を紹介しています.
高齢になると視力や聴力や記憶力が衰えたりして,メガネなどでは補えない機能障害が生じることもあります.このような人々(障害者や高齢者)が,障害を持たない人と同じように製品(情報通信システム)を使えるようにすること,それがアクセシビリティ対応の目的です.視覚機能が衰えたときにWeb利用にどのような問題が生じるか,それを考えて,その問題が生じないようにWebを改善すること,それがアクセシビリティ対応です.
宿題
以下の内容を書いたレポートを,2月3日16時までに,8号館4階のレポートボックスに提出.
- ユーザビリティand/orアクセシビリティに配慮したWebサイト(少なくとも一つ)とその工夫点
- ユーザビリティand/orアクセシビリティに配慮していないWebサイト(少なくとも一つ)とその問題点
レポートには,最低限,各WebサイトのURLと工夫点/問題点を書く.画面キャプチャ(スクリーンショット)やポンチ絵などを活用して工夫点を分かりやすく表示することが大事.
ユーザビリティのチェックは,自分がそのサイトを使う際に,前述した観点でどのような問題が生じるかを考えればわかると思います.アクセシビリティは想像しなければなりませんが,アクセシビリティ上の問題を見つける方法をいくつか紹介します.
- 全盲のユーザになったつもりで,マウスが使えないユーザになったつもりで,Webページを利用する状況を想像する.
- 白黒印刷してみて,色の情報が消えてもそのサイトを利用できるか.
- 携帯電話のフルブラウザ(画面が小さい!)で表示しても使えるか.
- 「aDesignr」をパソコンにインストールして,チェックしてみる.(aDesignerは,読み上げに時間がかかるところを暗く表示したり,レーダチャートで結果を表示したりするので,初心者にもわかりやすいアクセシビリティ評価ツール.)
- Webアクセシビリティ評価ツールである「WAVE Toolbar」をインストールしたFirefoxでWebページを閲覧し,「Text-only」や「Disable Styles」状態で表示してもそのサイトを利用できるか確認してみる.
ソフトウェアの権利と知的財産権
ITパスポート試験のテキストの範囲内で,知的財産権や著作権について説明します.
ソフトウェア開発の手法,設計と管理
JavaScriptを使って,ソフトウェア開発の初歩を実習します.
情報処理科目「CompIIE(Webでの情報表現)」では,JavaScriptを活用して使いやすいWebサイトを作成する方法も教えています.
ネットワーク・セキュリティ
- 情報セキュリティ
- 不正アクセス
- ウイルス
- ファイアウォール
- 自分のパソコンのセキュリティを守る方法
- アカウント管理の重要性
- 暗号化の重要性
- 暗号化が利用されている例
- 本学のセキュリティガイドラインはどうなっているか?
- ネチケット
- 電子メール利用の注意点
- Web利用の注意点
- 情報セキュリティに関する日本の法制度
- 宿題:不正アクセス事件を調べて発表
- 信用(Trust)
- そのWebホストは本物か?
- 個人認証の方法
- 送られたデータは改ざんされていないか?
- 改ざん防止の方法
- 署名の方法
データ収集,分析,問題解決の技法とモデル化
- データ収集の技法:
- 定性的データ:ブレーンストーミング(ブレーンストーミングのルールとは?),バズセッション,面接調査
- 定量的データ:資料調査,アンケート調査
- データ整理の技法:
- KJ法,決定表,決定木
- データ分析の技法:
- 統計的手法(学科の他の授業で詳細に扱うので省略)
- 定量的データの分析:QC7つ道具(特性要因図,パレート図,ヒストグラム,散布図(相関),チェックシート,層別,管理図),PDCAサイクル
- 定性的データの分析:新QC7つ道具(連関図法,親和図法,系統図法,マトリックス図法,マトリックスデータ解析法,PDPC法,アローダイアグラム法)
- グラフと図解(グラフや図(ダイアグラム)の種類,どういうデータにはどのようなグラフが適しているか?)
- 業務のモデル化:
- DFD,E-Rモデル
授業時に,来年度の「情報通信ネットワーク1」の受講希望者数を調べます.
このページのスタイルシート(nabe_article.css)やJavaScript(SmartDoc.js)はSmartDocをベースにしています.また,目次生成などのインターラクティブなエフェクトは,jQueryというJavaScriptのライブラリを用いています.
© 2005-2011, Takayuki Watanabe